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”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2024.7.28 Vol.149
1.荏原製作所様でのSOUNDカード事例紹介
自己組織化チーミング技法「SOUNDメソッド(R)」のベースとなる考え方と、SOUNDカードを用いたファシリテーションを実践形式で学ぶことができる「SOUNDコーチ養成講座 初級編」。
2022年3月より講座を開始して以降、企業内開催も含め400名近くの方にSOUNDメソッドについてお伝えさせていただきました。
その卒業生である後藤 雄三さんに、所属されている荏原製作所でのSOUNDカード導入に関してインタビューをさせていただきました。SOUNDカードの活用の社内展開をどのように図っていったのか、詳しく語っていただきました。
「言いたくても言えない」雰囲気をどのように「何でも言える」に変えていったのか。
ぜひご一読ください。
SOUNDカードの詳しいご紹介はこちらのHPをご覧ください。
https://www.soundmethod.jp/
【インタビュイー:後藤 雄三さん】
行政官を経て、2年前に株式会社荏原製作所に入社。
現在、リスクマネジメント、カーボンニュートラル、法務、安全保障貿易管理を統括するとともに、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンも担当。
【インタビュー内容のまとめ】
中途入社した後藤さんが中心となり、社内勉強会コミュニティを通じてSOUNDカードの体験会を定期的に開催。「言える化」をキーワードに、社内コミュニケーションの活性化と文化風土の変革を目指しています。
特徴的なのは、押し付けではなく自然な広がりを重視している点。カードの良さに気づいた社員が自発的に広める方針を採用し、着実に関心を集めています。今後は社内での働き方改革施策としても展開予定とのこと。
後藤さんは「まずは使ってみること」の重要性を強調。SOUNDカードが社内で日常的に使われる風景を理想として掲げています。組織変革のヒントとして、ぜひご注目ください。
―SOUNDカードを会社でどのように使っていらっしゃいますか?
社内に有志が立ち上げた勉強会コミュニティがあるのですが、その事務局メンバーの協力を得ながら、SOUNDカードの体験会を開いています。これまで10回ほど開いていますが、「一度やってみたい」という部署なども出てきて、少しずつ社内に関心が広がってきています。
―SOUNDカードを使うにあたって、後藤さんはどのような課題を感じていましたか?
私はもともと公務員で、荏原製作所には中途で2022年秋に入社しました。入社後は、組織開発や働き方改革などでお役に立てないかなと考えていました。まあ、周囲からすれば「〇下り」に見えますし、社内的には異分子でしょう。「民間の方はご存じないでしょうが、行政はこんな動きになっています」なんて話をしても嫌われるだけですので、なんとかして現場に入っていきたいという気持ちはありました。
入社してみると、伝統的なメーカーということもあって、社風は非常にまじめです。社会に貢献する製品を作っている会社なので、製品に対する思い入れや誇りも非常に強い。ただ、外部とのコミュケーションが少なく、発信が少ないなと感じたんです。内に秘めた思いは素敵ですが、もっと外に出て、外部とつながってほしいと感じました。そうしたことに、私の知識や経験が生かせないかと考えていました。
―SOUNDカードを使ってみようと思ったきっかけはなんでしょうか?
勉強会コミュニティのメンバーと知り合って、「前にいた職場でも働き方改革やウェルビーイングをやっていた」と話すと、「じゃあ、一回話を聞かせてください」と言われて、私も勉強会に参加するようになりました。そんな中で「SOUNDカードというものがあるんだけど、どう???」と話したら、興味を示してくれる人がいたんです。そこで、「一度試しにやってみよう」という話になりました。
―反応はいかがでした?
好評でしたね。ゲーム感覚で面白いし、「言える化」というキーワードも関心を引いたようです。そこで、オンラインコミュニティでも紹介しようという話になり、外部のコンサルタントを呼んで、カードが開発された経緯やチーミングの重要性などを話してもらいながら、SOUNDカードについて学ぶというオンライン勉強会を開くことになりました。その後、実際にやってみようということになり、月1回程度、体験会を開催するようになったという流れです。
―体験会はどのように実施しているのですか?
私達の会社には「1週間の勤務時間の5%相当分は、会社の成長につながることであれば自分の好きなことに自由に使える」という制度があるんです。それがだいたい週に2時間くらいになる。午後3時半から5時半ぐらいで、恒例の体験会を始めました。
StatusからOutcomeと進んで、いつもUnderstandの途中で終わるんですけど。Outcomeでステートメントを書き出すと、それなりに盛り上がります。各回の参加者は3人から5人ですが、回を重ねるごとに、社内でも関心をもってくれる人が増え、「機会があったら、やってみたい」という声も聞くようになりました。「うちの部署でやりたいんですが、来て教えてくれませんか」といった声が掛かることもあります。
―SOUNDカードの推進者は後藤さん1人ですか?
勉強会のメンバーから「自腹でSOUNDコーチ養成講座へ行ってきます」という人が現れまして、今では私も含めて4人います。体験会の参加者の中には「来年度の予算で養成講座の参加費用を確保しました」という人もいて、今年講座に参加するそうです。私以外の推進者にも「うちの部署に来て、教えてほしい」という声が掛かっているようで、散発的に社内に広がっているというのが現状です。
―社内的にはSOUNDカードに対して、どのような反応が多いのですか。
反応が良い人がいる一方で、あまり関心のない人もいて、人それぞれです。しかし「どのようなものなのか気になっている」という人は着実に増えている印象があります。ただ、全社的に知名度があるわけではなく、非公式のコミュニティができたばかりなので、これから少しずつ口コミで広がっていけばいいなと思っています。
―後藤さん自身はSOUNDカードに対して、どのような可能性を感じていますか?
「言える化」というキーワードですよね。当社は、数年前から社長以下、肩書でなく「さん付け」で呼ぶなど、比較的風通しが良い社風だと思います。しかし、経営幹部が何でも言いたいことを言っていいと言ったとしても、現場からすると目の前の仕事に忙殺され、言いたいことを言う暇が無かったり、やはりどうしても社内には「言いたくても言えない」と遠慮してしまう人がかなりいるのではないかと思います。
でも、なかなか口に出せない思いやアイディアなどをSOUNDカードの力を借りて口にするという体験を繰り返していけば、社員も「こういうツールを使えば、話しやすいよね」という気持ちになるのではないでしょうか。そうした形で、SOUNDカードが草の根的に広がっていけば、社内の文化風土も変わっていくのではないかと期待しています。
―後藤さんは「言える化」を重視されているんですね。
何か言いたいけれど、「これを言っていいのかな」と思って躊躇してしまうということは誰にでもありますよね。私はコーチングの資格も持っているのですが、自分の考えを口にすることで得られる気付きはとても意味があると思っています。自分の思いを言語化することで、自分自身を客観的に見られるようになりますし、周囲も「この人はこんなことを考えていたんだ」と気づけます。そうした気付きは大切です。
―他の3人の推進者の方はSOUNDカードをどう見ているのでしょうか?
会議やミーティングで、誰も何も言わず場が凍ってしまうということがありますよね。そうした閉塞感を打ち破ってくれるのではないかという可能性を、3人とも感じてくれている気がします。SOUNDコーチ養成講座を受けた社員の1人は、実際にSOUNDカードを体験してみて「これを使えば、社内の議論の活性化を促せる」と涙まで浮かべて喜んでいました。社員が自由に話すのを抑え込んでいる、そんな社内の雰囲気を動かす力があると感じたのではないでしょうか。
―後藤さんがSOUNDカードを社内で広めるために、意識しているポイントはありますか?
あまり押し付けないことです。「SOUNDカードを使ってみましょう」「研修には必ず取り入れましょう」にはしたくはないですね。カードの良さに気付いた人が「これはいいかも」と言って広がっていくのが一番良いと思っています。自分から積極的に勧めなくても、みんなが可能性を感じてくれたら、そのうち自然に流行るだろうと思っていました。
―体験会により多くの人に参加してもらうための取り組みなどはされていますか?
勉強会コミュニティに参加している社員が1800人以上いるんです。ですから、勉強会を開催するとオンラインで100人、200人規模で参加者がいる。リアルで開催すると、参加者は数人になってしまうのですが、それでもベースの数としては大きいですよね。それだけの規模の中から、実際に参加してくれる人は、やはり前向きな人ばかりです。
―かなり手応えを感じられているのですか?
実際にはまだまだこれからで、今後の展開を考えているところです。
当社でも「働き方改革プロジェクト」が実施されており、各部門で働き方改革を進めるための施策を取りまとめることになったんです。その施策を事務局に提出すると社内に公表されるのですが、今回は「SOUNDカードを使って『言える化』を進める」という施策を提出しました。これまでは有志グループの取り組みという非公式な形で進めてきましたが、こうして部署の施策として公式な形でも取り組んでいきたいと思っています。
―社内で「SOUNDカードに興味はあるけれど、やったほうがいいのかどうか分からない」などと相談されたら、どのようにアドバイスしますか?
「まずは使ってみなはれ」ですね。やってみないと良さはわからない。もちろん、やり方が分からないのであれば、喜んでファシリテーションをしますし、そのほかのサポートもしますよ。
―SOUNDカードを使って、社内で実現してみたいことはありますか?
社内のあちらこちらで、SOUNDカードが使われている風景が当たり前になってほしいですね。社内のフロアに、出張のお土産をまとめて置いているスペースがあるんです。集まって自由にお土産を食べてくださいという感じで。そこに、SOUNDカードも置いているのですが、カードを使っている人をまだあまり見たことがない。お菓子を食べながら、ちょっとStatusカードを引いて話してみる、みたいな光景が社内のあちらこちらで見られるようになったら嬉しいですね。
とりあえず使ってみる人が増えていけば、カードに可能性を感じる人が増えて、次々にネットワークが広がっていく気がします。「まずは使ってみなはれ」。これに尽きると思います。
この「SOUNDカード」ですが、お陰様で7月19日に累計販売数2000個を突破いたしました。
これだけ多くの皆さまがSOUNDカードとSOUNDメソッドの可能性に価値を感じてくださり、活用いただいていることを心から嬉しく思います。
このSOUNDカードでは何が可能になり得るのかについては、拙書「ビジョンプロセシング」にてご紹介しております。
【ビジョンプロセシング――ゴールセッティングの呪縛から脱却し「今、ここにある未来」を解き放つ 】
https://amzn.to/3UGRbKL
本質を追求したい方にこそお読みいただきたい一冊です。こちらもぜひお手に取っていただけることを願っております。
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2.セミナー・ワークショップ情報
■【法人向け連続セミナー】
環境や課題が複雑になっていく状況下でも、迷わず意思決定をすることは可能なのでしょうか? 「U理論」とは、過去の延長線上ではない意識変容・行動変容やイノベーションを、個人やチーム、組織、そして社会で起こすための原理と実践を示した理論です。本連続セミナーでは、「U理論は仕事・生活に具体的にどのように役立てられるのか?」という視点をお届けします。
━【問題解決編】第2回 自考自動
=言われたことしかやらない“不活性人材”問題は新たなフェーズへ
「不活性問題2.0」とも呼ぶべき構造的要因と、その対策とは?=
日 程:2024年8月20日[火] 15:30〜18:00
会 場:ZOOMにてオンライン開催
参加費:無料
<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/CCTBSY
━【理論編】第2回 U理論からみたリーダーシップ
日 程:2024年8月29日[木] 16:30〜18:00
会 場:ZOOMにてオンライン開催
参加費:無料
<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/FcvJtL
■リーダーシップ・シフトプログラム エントリーコース
U理論に基づき、私たちが無自覚のうちに陥っている意思決定のパターンに目を向け、仕事やプライベートに活かせる問題解決法をご紹介します。
会 場:ZOOMにてオンライン開催
参加費:3,300円(税込)
日 程:2024年8月7日[水] 19:00〜21:30
http://ptix.at/f4WmdH
日 程:2024年8月28日[水] 19:00〜21:30
https://peatix.com/event/4020022
■リーダーシップ・シフトプログラム ベーシックコース
自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放することで、その人の強みが十分に発揮される状態を創り、一人一人と場の進化をもたらし続ける全く新しいテクノロジーをご提供いたします。
━43期日程:2024年8月17日[土]〜8月18日[日]
1日目9:50〜19:30
2日目9:00〜19:00
会 場:KFC Hall&Rooms(両国)
参加費:132,500円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4032831
━44期日程:2024年10月26日[土]〜10月27日[日]
1日目9:50〜19:30
2日目9:00〜19:00
会 場:KFC Hall&Rooms(両国)
参加費:(通常価格)132,500円(税込)
(2024/9/26まで早割価格)102,500円(税込)
<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/D3mdde
■自己組織化チーミング手法「SOUNDメソッド」SOUNDコーチ養成講座 イントロセッション
ー心理的安全性や組織開発を含んで、超えるチーミングアプローチとは?
「いつでも、どこでも、誰とでも」
新しいチームワークのリテラシーとして、インテグラルチーミング手法「SOUNDメソッド」をご紹介いたします。SOUNDコーチ養成講座シリーズの導入に位置付けられていますので初めてのSOUNDメソッド体験におすすめです。
日 程:2024年9月3日[火] 19:00〜21:45
会 場:株式会社ポテンシャライト 会議室(目黒)
参加費:3,850円(税込)
<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/kDoxT5
■自己組織化チーミング手法「SOUNDメソッド」SOUNDコーチ養成講座 初級編
「SOUNDカード」を活用した対話の場づくりを体験し、変化が激しく先行き不透明な状況下でもチームメンバーが目的や意義を共有・合意し、チームとして共進化(Co-Evolve)していくことを可能にしていきます。
━16期日程 :2024年9月28日[土]
10:00〜18:30
会 場:KFC Hall&Rooms(両国)
参加費:55,000円(税込)
<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/ugZGDe
━━━━━━━━━━<発行者情報>━━━━━━━━━━━
”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』
●発行責任者:山根 恭子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」
を活用したプロセスコンサルテーションによって「ソーシャル
フィールド(社会的な場)」を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞
感のある組織を創発的な組織へと進化させます。
●URL:
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●お問い合わせ:
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