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”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━    2024.12.22　 Vol.156

１．不確実な時代の新しい羅針盤：「地経学」と「シナリオプランニング」

「地経学」という言葉をご存じでしょうか？
「民族や国家の特質を、主として地理的空間や条件から説明しようとする学問」（デジタル大辞泉より）である「地政学」に「経済」の視点を組み合わせた概念が「地経学」です。
先日もNHK「おはBiz」で特集が組まれるなど、その注目度の高さがうかがえます。
（参考：https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2024_1111.html）

地経学が注目される背景には、変動性や不確実性が増す中で、会社経営がますます困難になっている現状があります。経営においては、臨機応変な舵取りを求められることもあれば、海外進出や設備投資など、後戻りのできない意思決定を迫られる場面もあります。このような状況では、これまで以上にレジリエンス（回復力）の高い施策を選び取る必要があり、「CxO」クラスの不確実性に対処する専門職の重要性も今後ますます高まることでしょう。

しかし、上層部が先を見越して臨機応変な経営を行う一方で、現場の事業や作業を担う人々には「ころころ変わる方針に振り回されているだけ」と感じられてしまうリスクもあります。このギャップを埋めるため、現場とトップをつなぐミドルマネジメントの役割が今後さらに重要になります。
従来であれば、上層部が掲げた方針を具体化して伝えるだけで十分でした。しかし、地経学的な舵取りを行うには、現在の状況やそこに至るまでの背景をミドルマネジメント自身がどう捉え、どう判断すべきかを現場に自分の言葉で説明し、理解を促す必要があります。このプロセスはミドルマネジメント層に大きな負担をかける可能性があり、結果的にトップと現場の溝をさらに深めてしまう危険性も孕んでいます。
こうした状況を乗り越えるためには、上層部やミドルマネジメント層だけでなく、現場サイドが自らの観点で地経学的な状況を捉え、言語化していくプロセスが今後ますます重要になるでしょう。

このような課題を克服するための手法として注目されているのが「シナリオプランニング」です。
シナリオプランニングとは、まだ確定はしていないものの、どちらかに転べば確実に違った展開の未来があるということを洞察し、どちらに転んでも取り組んでおくべき出来事を見極め、「重要かつ緊急ではない」課題の優先順位を上げることで、出たとこ勝負や手遅れにならないようにするための方法論です。
先の大統領選において、大統領になるのがハリス氏になるのかトランプ氏になるのか直前までわからなかった2024年10月末までの状況を例にとって考えてみます。

・ハリス氏になれば、ウクライナ戦争も中東情勢も有益な打ち手が出されずに現状が継続していた可能性がある。
・一方トランプ氏になれば、輸入関税の対応を余儀なくされることになる。
・そしてどちらの大統領になったとしても、対中政策は厳しく、対立はより深まることになり台湾情勢の緊迫化は避けがたい。

という見方をしていく、という感じです。
この場合の「どちらに転んでもやっておくべきこと」というのは、対中政策の余波への対応でしょうし、気候変動対策等も含まれてくるでしょう。

こう言ってみれば当たり前のように思えてしまいますが、実際にシナリオを考えようとすると途端に抽象度が上がりすぎてしまい、思考があやふやになりがちです。
一見単純に思えるシナリオプランニングですが、実際に取り組もうとすると、途端に考えが抽象的になりすぎて、具体的な戦略を描くのが難しくなります。いくつかの学術的・心理学的研究結果でも述べられている通り、人間は本来、先を見通す能力に乏しく、不確実な状況で的確な判断を下すことは容易ではありません。
そのため、体系的な手法と実践的なサポートが不可欠となるのです。

私たちオーセンティックワークスでは、このシナリオプランニングを基盤にした組織支援を10年以上にわたり行っており、部門長から現場のマネージャー、そしてスタッフを巻き込み、シナリオの理解や洞察力を高める取り組みを進めています。
これからのスタンダートとなる地経学が「頭の使い方」に関する概念であるとすれば、シナリオプランニングは「組織の体の動かし方」を学ぶ基盤です。
地経学とシナリオプランニングという両輪が回る状態を実現することが、組織戦略や人材育成の土台を形成する鍵となるでしょう。


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　　　　　　　　  【未来からの問い Vol．156 】　　　　　　     
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「いま、取り組むべきことは何ですか？」　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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２．セミナー・ワークショップ情報

■【法人向け連続セミナー】
環境や課題が複雑になっていく状況下でも、迷わず意思決定をすることは可能なのでしょうか？ 「U理論」とは、過去の延長線上ではない意識変容・行動変容やイノベーションを、個人やチーム、組織、そして社会で起こすための原理と実践を示した理論です。本連続セミナーは、「U理論は仕事に対して具体的にどのように役立てられるのか？」という視点でお届けします。

━【理論編】第1回 U理論の概要と実践の着眼点
日　程：2025年1月21日[火] 16:30〜18:00
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：無料
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4218112

━【理論編】第2回 U理論から見たリーダーシップ
日　程：2025年2月18日[火] 16:30〜18:00
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：無料
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4220627



■リーダーシップ・シフトプログラム  エントリーコース
Ｕ理論に基づき、私たちが無自覚のうちに陥っている意思決定のパターンに目を向け、仕事やプライベートに活かせる問題解決法をご紹介します。

日 程：2025年1月8日[水] 19:00〜21:30
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：3,300円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4137076

日 程：2025年2月5日[水] 19:00〜21:30
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：3,300円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4227777



■リーダーシップ・シフトプログラム  エントリーコース・関係性編
人間関係に疲れたとき、相手を変えようとするのではなく、自分の「心の見方」を変えることが鍵となります。本講座では、参加者それぞれの実際に起きている「関係性」を題材として、Ｕの谷をくぐっていきます。

日 程：2025年1月18日[土] 9:30〜12:00
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：3,300円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4236221



■リーダーシップ・シフトプログラム  ベーシックコース
自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放することで、その人の強みが十分に発揮される状態を創り、一人一人と場の進化をもたらし続ける全く新しいテクノロジーをご提供いたします。

━46期日程：2025年2月22日[土]〜2月23日[日]
    1日目9:50〜19:30
    2日目9:00〜19:00
会 場：KFC Hall&Rooms(両国)
参加費：132,550円(税込)
（2025/1/22まで早割価格）104,500円（税込）
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4122697



■SOUNDコーチ養成講座初級編　説明会
「SOUND コーチ養成講座」ってどんな講座なの？という疑問にお答えします。

日　程：2025年1月8日[水] 20:00〜20:45
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：無料
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4193439

日　程：2025年1月20日[月] 20:00〜20:45
会　場：ZOOMにてオンライン開催
参加費：無料
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4225573



■自己組織化チーミング手法「SOUNDメソッド」SOUNDコーチ養成講座 初級編
「SOUNDカード」を活用した対話の場づくりを体験し、変化が激しく先行き不透明な状況下でもチームメンバーが目的や意義を共有・合意し、チームとして共進化（Co-Evolve）していくことを可能にしていきます。

━18期日程 ：2025年1月25日[土] 10:00〜18:30
会 場：KFC Hall＆Rooms(両国)
参加費：58,300円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4075720

━19期日程 ：2025年3月8日[土] 10:00〜18:30
会 場：KFC Hall＆Rooms(両国)
参加費：58,300円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4122768



━━━━━━━━━━＜発行者情報＞━━━━━━━━━━━
”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』
●発行責任者：山根 恭子
●発行元：オーセンティックワークス株式会社
●事業内容：組織進化コンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」
 を活用したプロセスコンサルテーションによって「ソーシャル
 フィールド(社会的な場)」を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞
 感のある組織を創発的な組織へと進化させます。
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